我が家の太陽光は、固定買取価格(FIT)が19円/kWh。
これは太陽光を設置した2021年度(令和3年度)の住宅用の買取価格で、10kW未満は10年間この単価で固定されているので、しばらく19円のまま動きません。
太陽光を載せていると、つい「発電した電気は自分で使う(自家消費)のが一番トク」と思いがちです。私もそのつもりで、エコキュートも昼に沸かす設定にしていました。
でも本当にそうでしょうか。ポイントは、買い電の実質単価がこの19円より高いか安いか。
それだけで、自家消費が得か・夜間に買うのが得かは入れ替わります。
2026年の夏、関西電力「はぴeタイムR」の検針票を眺めていて、今はその答えがひっくり返っていることに気づきました。
住宅用の買取価格は年々下がってきた
まず前提として、太陽光の買取価格(FIT)は制度が始まった2012年度の42円をピークに、毎年のように下がってきました。住宅用(10kW未満・余剰買取)の近年の推移がこちらです。
| 年度 | 買取価格(10kW未満・余剰) |
|---|---|
| 2019年度 | 24円 |
| 2020年度 | 21円 |
| 2021年度(我が家) | 19円 |
| 2022年度 | 17円 |
| 2023年度 | 16円 |
| 2024年度 | 16円 |
| 2025年度(4〜9月) | 15円 |
(出典:資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」。2025年秋からは初期に手厚い新制度へ移行)
我が家が設置した2021年度は19円で10年間固定です。
裏を返せば、買電がこの19円を割るかどうかが、損得の分かれ目になります。
では実際、我が家の夜間の買い電はいくらなのか。ここから見ていきます。
はぴeタイムRの夜間電力「実質単価」を調べてみた
我が家は関西電力「はぴeタイムR」。
夜間(ナイトタイム=23時〜翌7時)の電力量単価は15.37円/kWhと安めです。ただ実際に払う額は、これに燃料費調整・再エネ賦課金が乗り、電化割引・政府補助金が引かれて決まります。
まず1か月分、検針票で出してみます。
検針票で夜間1kWhを出してみる
2026年5〜7月分の検針票がこちら。
「燃料費調整額」「電化割引額」「再エネ促進賦課金」が電力量料金に含まれています。



次に、7月分(6/10〜7/8使用)と、次の8月分(7/9〜8/8使用)を夜間の単価で並べてみます。
8月分から夏の政府補助金(−3.5円)が入ります。
| 項目 | 7月分(6/10〜7/8) | 8月分(7/9〜8/8) |
|---|---|---|
| ナイトタイム電力量単価 (23時〜翌7時) | 15.37円 | 15.37円 |
| 電化割引 (電力量料金の−5%) | −0.77円 | −0.77円 |
| 燃料費調整額 | +3.07円 | +3.47円 |
| 再エネ発電促進賦課金 | +4.18円 | +4.18円 |
| 政府補助金 | なし | −3.50円 |
| 実質のナイトタイム単価 | 21.85円 | 18.75円 |
| ─────────── | ────── | ────── |
| (参考)固定売電単価(2021年度) | 19円 | 19円 |
7月分は21.85円で、売電19円より高い=自家消費が得。
ところが8月分(=7/9以降の使用分)は補助金が乗って18.75円。
19円を割り、夜に買うほうが得へと逆転します。この境目は検針後の期間2026/7/9〜です。
(8月分は関西電力の公表単価から算出。検針票が届いたら実額で答え合わせします。)
2025年からの推移を並べる
これまでの実質の夜間単価を2025年4月から月ごとにグラフにしてみました。
グレーの破線が固定売電19円。点が青(19円未満)なら夜に買うほうが、赤(19円以上)なら自家消費のほうがトクです。緑の帯は政府補助金の値引き分を表します。

2025年の夏と、直近の冬季にも補助金があったので変動が大きいです。
直近1年を数字にすると、この流れです↓(使用月ベース)
| 2026年 | 夜間の実質単価 | 売電19円と比べて |
|---|---|---|
| 1月 | 約16.7円 | 夜がトク |
| 2月 | 約16.8円 | 夜がトク |
| 3月 | 約19.9円 | ほぼ互角 |
| 4月 | 約21.7円 | 自家消費がトク |
| 5月 | 約21.8円 | 自家消費がトク |
| 6月 | 約21.9円 | 自家消費がトク |
| 7月 | 約18.8円 | 夜がトク |
| 8月 | 約17.8円※ | 夜がトク |
| 9月 | 約18.8円※ | 夜がトク |
※印の8月・9月ご使用分は燃料費調整が未公表のため見込み。ほかは検針票の実額と関西電力の公表単価から算出。
去年(2025年)の夏は補助金が薄く、夜間はほぼ19円で互角でした。今年は補助金が厚く、冬(1〜2月)は約17円、補助金の切れた4〜6月は21円台に高騰、そして夏の補助金が戻った7月にまた19円割れ、という波です。
「政府補助金」の影響は大きい
この上下の正体は、ほぼ政府の電気代補助金です。補助額はご使用月ごとに違い、2026年の低圧は7月ご使用分−3.5円/8月ご使用分−4.5円/9月ご使用分−3.5円/kWh。補助が一番厚い8月ご使用分は、夜間が17円台まで下がります。
ただし8月・9月使用分の燃調は未公表で、グラフでもその2か月は破線・白抜きの「見込み」。確定したら検針票で答え合わせします。
判断はシンプルです。エコキュートやEV充電のように時間をずらせる電気は、
- 太陽光でまかなう=本来19円で売れた電気を使う=実質19円
- 夜間に買う=いまなら17〜18円台
なので夜間が19円より安ければ「売って夜に買う」が勝ち。
昼に沸かして抱え込むより、太陽光は全部売るほうがトク、という理屈です。
我が家の作戦を切り替える
じつは我が家、そのときの単価しだいで作戦をコロコロ変えてきました。
夜間電力を軸にしていた頃の記事もあれば、補助金で電気が安くなった話も書いています。
直近では、補助金が切れて夜間が21円台だった先月まで、エコキュートを昼に沸かして自家消費する作戦にしていました。
でも今月からはまた逆。エコキュートは夜間に戻し、昼の太陽光はそのまま19円で売ります。
昼に動く家電(エアコンなど)は、もともと昼の単価が26〜29円と高いので、これまでどおり自家消費を意識して動かします。
まとめ
太陽光の自家消費が、いつでも正解とは限りません。
売電単価・夜間単価・そのときの補助金しだいで、答えは月ごとにひっくり返ります。
9月以降どうなるかは、まだ分かりません。
補助金が切れればまた自家消費が有利に戻るはず。次の検針票が来たら見逃さないよう、しっかりチェックするつもりです。
みなさんも、一度ご自宅の「実質の買い電単価」を計算して、売電価格と見比べてみてはいかがでしょう。思っていた作戦と逆だった、なんてこともあるかもしれません。
参考(公式)
単価や補助金の推移は、公式の一次情報で確認できます。
- 関西電力:燃料費調整制度・単価(料金支援策=政府補助金の反映額が月ごとに載っています)
- 関西電力:はぴeタイムR 料金メニュー(時間帯別の電力量単価・電化割引)
- 経済産業省:2026年度の再エネ賦課金単価(1kWhあたり4.18円)
- 資源エネルギー庁:FIT・FIP 買取価格(住宅用の買取価格・推移)
