前回、以前乗っていた車フォードエクスプローラーの記事を書いたので、その前に乗っていた車についても記事に残しておきます。
もくじ
ちゃんと所有した最初の車
今回紹介するISUZU(いすゞ)ビッグホーンは社会人になる直前に購入したマイカーです。
やはり、実家の車やレンタカーでどれだけ運転しても自分のクルマっていうのは格別です。
16歳で普通2輪免許を取って以来、バイク・車の運転は学生時代にたくさんしてきましたが、念願のマイカーでした。
実は、学生時代カナダへ留学した際に現地で激安中古車を買って半年くらい乗っていたので初めてのマイカーではないのですが、日本では最初のマイカーです。
数ある車種の中から選んだのは一般的にはマニアックな車でした。
でも、思い付きで購入したわけではなく当時の自分なりにいろいろと考えて選んでいます。
所有してたISUZU ビッグホーンについて
購入時期
私がビッグホーンを購入したのは2005年12月です。
翌春に自家用車通勤ができる会社への就職が決まっていたのでバイトで貯めたお金と、両親に前借りした資金で購入することができました。
当時、ISUZUは乗用車販売から2002年に国内からは撤退していたので私が購入したのはもちろん中古車です。
ISUZU乗用車はもともと少なかった上に新車販売終了してから3年以上経っていたので、街で見かけることもほとんどなかったです。
購入動機
ISUZUビッグホーンが販売されていた頃の新開発直噴ディーゼルエンジンと本格4WDをアピールしたCMは何故か鮮明に覚えていて、ずっと気になっていたクルマでした。
狙っていたグレードと仕様の中古車を探していてもなかなか見つからなかったのですが、前オーナーの使用地域が北海道で、距離の割には状態が良さそうな車が出品されたので直感的に購入しました。
また、北海道販売仕様ということで、いわゆる寒冷地仕様ではなかったのですがスタッドレスタイヤ装着とバッテリーが2個積んであったのも良い点でした。
ISUZUという自動車メーカーは国内での乗用車販売を撤退している状態でしたので、ぜひ今のうちに乗っておきたい!という気持ちも強く思っていました。
さらに、ディーゼル車への風当たりが強くなっていた頃でしたが、低燃費でパワーのあるディーゼル車の魅力をすごく感じていたので車種選びに迷いはなかったです。
購入金額
価格は業者オークション代行で購入して名義変更等して全てコミでも120万円程でした。
当時社会人になるタイミングでまだお金がなかったので、十分高価でしたが今思うとすごくお買い得でした。
この年式・仕様のビッグホーン、現在では希少価値がついてなのか、私が購入した当時よりも高値で中古市場でみることができます。
年式と仕様
2000年式で型式は「UBS73GW型」、グレードはプレジールという最終型一つ前のモデルです。
購入前にいろいろ調べていく中で、UBS73型ビッグホーンの初期モデル(1998年~1999年)は電装系の不具合が多く見られたので、最終型かその一つ前のモデルを探していました。
エンジンは3.0L直噴ディーゼルターボで、当時出始めたコモンレール式の高圧(今となってはそんな高くない)燃料噴射機構を採用し、従来のディーゼルとは段違いのパワーだったことを覚えています。
この世代のディーゼルエンジンを最後に国内からは各メーカー乗用ディーゼルは姿を消してしまったので、旧世代の最終型エンジンだと言えます。
エンジン音はそれなりにうるさかったですが、それまでのディーゼルエンジンと比較したら静かです。
走行中は当時のディーゼルとしては高回転まで回るエンジンでパワー・トルク感はかなりありました。
そして、トランスミッションはなんと5速マニュアル仕様です。
しかも副変速機付きのパートタイム4WDでインパネに4WD切り替えスイッチと、ギアの横に4WD(Hi)-4WD(Lo)切り替えレバーがついている本格4WD車でした。
MT仕様については、クラッチペダルが乗用車のものと違いかなりストロークがあって独特な感じはしましたが、慣れてしまえば街中でも苦になることもなく、最初のマイカーということもあり、運転していてすごく楽しかったです。
ディーゼルSUV車にもかかわらずヒールアンドトゥでエンジン回転合わせたシフトダウンをして同乗者にショックを感じさせない運転を練習したり、2WD-4WDを切り替えて雪道でわざと滑らせて車を操ることを覚えたり、すごく楽しみました。
また、パートタイム4WDなので、4WD状態だとコーナーで前後タイヤの回転差が吸収できず曲がりにくくなるタイトコーナリング現象がでるので乾燥路では直進しかできません。
でも、雪道では前後直結50:50の4WDですのですごく頼もしいかったです。
UBS73型の4WD切り替えは走行中でもでき、ホイールのハブ切り替えも自動でした。
(マニュアルフリーハブのホイールだと車外に出て手動で切り替える必要がある)
ですので、4WD切り替えは面倒ではなく、ボタン一つで2WD-4WDを状況に合わせて自分の意志で切り替えて運転するのも、楽しすぎました。
なんか、最近の4WD車は全て車が制御しているので安全で快適ではあるのですが、操る楽しさは薄れてしまっているように思います。
思い出していると今でもまたほんと乗りたい車です。
乗った距離と期間
2006年の購入当時は走行距離は8万キロ弱でしたが、2009年終わりに手放すまで10万キロ以上走行して19万キロ手前まで乗りました。
年間3万キロ以上走っていたことになります。
その後に乗った車と比較して乗っていた期間は意外と短いです。
少し癖のある車
ビッグホーンは少し乗りこなすのに癖があったと思います。
まず、エンジン始動にはコツがいり、しっかりグロープラグによる予熱を待ってからでないとうまく始動しません。
セルモーターも長く回す必要があり、バッテリーへの負荷も大きかったです。
これはコモンレール燃料噴射の方式による構造的な問題で仕方ないそうです。
また、オルタネーター容量が不足気味な為、充電不足になりがちでした。(UBS73の初期型はさらに容量が小さかった)
その為、不要なときはライトを消したりエアコンを調整したりと気を遣う面もありました。
燃費はそこそこ良い
今でこそより低燃費のディーゼルエンジン車が販売されていますが、UBS73ビッグホーンはマニュアル車ということもありなかなか燃費が良かったです。
過去の燃費記録を改めて確認したところ、トータルで11km/L程でしたので2t超えの車重で3Lエンジンの割には当時にしてはかなり良かったです。
燃料タンクは85Lと大きかったので満タンで800km程は無理なく走れたので大満足でした。
メンテナンスはできるだけDIYで
基本的なオイル交換やタイヤ交換等のメンテナンスはずっとDIYで実施していました。
オイル交換は5000km-6000km毎に実施していて、走行距離も多かったので結構な頻度で交換していました。
車検についてもユーザー車検で済ませていたので格安です。
また、購入時にはナビ・バックモニターがついていなかったので、ナビとバックモニターの取付を自分で行いました。
マニュアルなどないのでメーターまわりを手探りでバラシて1DINx2の狭いスペースにオーディオとナビを装着しました。
スペースが2DINサイズではなく、1DINが2つで裏側での配線にすごく苦労した覚えがあります。
バックモニターも後ろのドアまで内貼りを剥がして配線したので、朝から作業して夕方までかかってしまいました。
この時、お店に頼むと数万円かかるナビ取付工賃は相応の価値あるものだと実感しました。
トラブル等
UBS73ビッグホーンで経験したトラブルはいくつかありました。
バッテリー上がり
購入時、新車から5年程だったのでおそらくバッテリーは未交換だったと思います。
乗り始めて半年くらい経ったころ、夜勤明けの夜中にセルモーターが回らずエンジンがかからなくなってしまいました。。
その時はもともと持っていたブースターケーブルを積んであったので社用車からジャンプスタートで始動させることができました。
エンジン始動後は、2つあるバッテリーのうち一つが死んでいたことが分かったので接続を切り離してバッテリー1つでその日は車を動かしていました。
すぐにネットで新品バッテリーを注文して自分で交換できたので大きな影響はなかったです。
この時使ったブースターケーブルは今でもBMW F25 X3のトランクに積んであります。
ブースターケーブルはそんな高くないものですので一度買えばずっと使えるので車に積んでおけば安心です。
ちなみに、自分でブースターケーブルを使ったのはこの一度きりであとは同僚の車を助けるために2回程使用したくらいです。。
ディスクローター破損
当時、お金を節約するために長距離でも高速道路を使用せずに下道や峠超えを良くしていたためブレーキへの負担は少なくありませんでした。
交換タイミングを見誤り、ブレーキパッドを限界超えて使用してしまいディスクローターへのダメージが起きてしまいました。
後ろのディスクローターがガリガリになってダメージ受けてしまいましたので交換するしかありませんでした。
純正だと高額なので、通販で部品を購入して実家の車でお世話になっていた日産ディーラーで持込交換してもらいました。
新車から10万キロ弱無交換でしたのでもう少し細かく状態を確認しておけばよかったと反省です。
これは私の経験不足のせいで起きたトラブルだったので以後乗る車でもしっかり確認するようになりました。
ちなみに、現在乗っているBMW F25 X3でも、ディスクローター持込交換で格安で済ませています。
ブレーキキャリパー交換
乗り始めて1年程だったと思いますが後輪のホイールが片側だけブレーキ引きずっているような感覚があり、ホイール1輪だけ特に熱を持つようになりました。
ブレーキキャリパーに不具合があり、交換が必要でした。
いすゞは乗用車撤退していましたがトラックを扱っているディーラー網は健在ですのでそちらで交換してもらいました。
費用は覚えていませんが3~4万円だった気がします。
トラックディーラーでしたので、たしか代車は2tトラックのエルフでした(笑)
排気漏れ
あとは、排気管に穴が空いてしまい排気漏れが起きたということが起きました。
排気漏れとわかったのは明らかに排気音が「パスパスパス・・・」と気の抜けた音になったからです。
スキー場近くの深雪を4WD-Loモードを使って走行した後だったのでおそらくその際に何かぶつかったか局所的に負荷がかかって破損したものと思われます。
そのままだと車内に排気が入ってくる可能性もあると思いましたのですぐに修理に出しました。
幸い、マフラー自体は大丈夫だったので排気管部品のみ交換で済みました。
ディーラーで2万円程だったと記憶しています。
クラッチ滑り
走行11~12万キロの頃、3速で引っ張るとエンジン回転だけ上昇するような挙動が急に現れました。
明らかにクラッチが滑っていたので、寿命だったようです。
私は半クラは多用せずにクラッチをいたわって運転してたつもりですが、前オーナーの使い方が悪かったのかと思います。
クラッチのオーバーホールが必要で、これが一番費用が掛かりました。
作業するにはミッションを降ろす必要があるとのことで、いくつか整備工場で見積をとり、安い所を選んででも10万円程かかりました。
オーバーホール後は手放すまで問題は起きなかったです。
手放した理由
すごく気に入っていたビッグホーンですが、手放すに至った理由を整理してみます。
ディーゼル排ガス規制
当時、規制をクリアしていない乗用ディーゼル車は大都市圏においては新車から9年目以降車検を取ることが不可能という制度がネックになっていました。
7年目の車検時にあえて1か月以上前倒しで車検を取得して、9年目になる前に車検を取れる状態にしていたのですが、いずれ乗れなくなってしまうという不安がありました。
必要な整備・改造をして規制クリアして登録、もしくは使用の本拠地を大都市圏外に移して乗り続けることもできましたがすでに4年近く乗れたのである程度満足はしていました。
V8エンジンの車に乗りたい!
車を手放した2009年はガソリン価格も落ち着いていました。
そこで、大排気量ガソリンエンジン車に乗るなら今しかない!と思うようになりました。
ちょうど「最後の」ディーゼル車に乗りたかったビッグホーン購入時と理由が似ています。
結果的にフォードエクスプローラーを購入しました。
先回、エクスプローラーについては記事にしました。
UBS73ビッグホーンのまとめ
のちに乗っていたフォードエクスプローラー、BMW F25 X3と比較して所有期間、走行距離は短かかったですが、国内で初めてのマイカーだったということもありISUZUビッグホーンにはすごく思い入れがあります。
所有していた期間の割には、当時は時間もあったので整備やナビ取付等多くの事をしましたし、数々の記憶もあります。
就職して一人暮らしの為の引っ越しもこの車で全てしましたし、スキー・キャンプ・登山やたくさん旅行もしました。
フェリーで北海道まで旅行し、北海道でスピード違反で捕まったこともあります。。
また、帰省して実家の前に少しの間停めていてレッカー移動されたなんてこともありました。。
車自体も、購入時はややエンジンの回転が重たく結構排気ガス黒煙がでていたのですが、しっかりオイル交換を定期的にして頻繁に長距離乗っていたのでどんどん調子が良くなってきました。
不思議と黒煙も出ないようになり、エンジンの調子も手放す最後まで良かったです。
次の車として購入したエクスプローラー納車と引き換えに、オークション代行業者の方が引き取って運転していったのですが、わざわざ「エンジン絶好調ですね!」とお褒めの連絡をしてきていただいたのは最後にすごく嬉しかったです。
売却時は走行18万キロ超えていましたが、40万円程の値段がついて手放すことができたので結果的にすごくお得に乗れた車でした。
またいすゞさん、国内でも乗用車販売して欲しいですがなかなか厳しいのでしょうね。。
貴重な車に乗ることができたと思っていますので良い経験でした。