2022年以降、電気料金の高騰が続いていて新電力会社が撤退したり料金体系替えたりして大きな変化がでています。
わが家も、ずっと新電力を利用していたのですが、新電力の値上げと料金体系の変更に遭い、現在は関西電力の割安な深夜料金設定があるプランを利用しています。
電力料金について、皆さん、ずっと高いままだと思っていませんか?
私も昨冬の電力高騰で高いイメージがついていましたが、今は諸々の影響で意外と安いのです。
電力料金の現在地と、太陽光発電ある自宅での2023年11月時点でのお得な電気使い方について整理したいと思います。(私の自宅での場合です)
もくじ
電気料金が異常に高かったのは2022末ー2023の冬季
2023年10月時点で振り返ってみると、電気代が高額だったのはこの前の冬の間が特別でした。
燃料調整費が超高額の原因
高くなった電気代の原因は「燃料調整費」です。
燃料調整費は原油価格によって月毎に決定されるもので毎月変動します。
これが、2022末からの冬は戦争や円安の影響で原油価格が高騰した為かなり高くなりました。
燃料調整費推移(関西電力)
関西電力の場合ですが、燃料調整費の推移を表は下記通りです。
2022年後半から2023年1月にかけての燃料調整費高騰、その後の下落がすごいですね。
国の補助金により下落
かつてないほど高騰していた電気料金も、2023年2~9月は1kWあたり7.0円の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助金により下落しました。
そして、補助金政策の期限が切れる2023年10月以降は制度が切れ間がないように延長されて補助額は3.5円/kWで継続されています。
半減した3.5円/kWの補助金でも、電気料金低減には大きな影響をもたらしています。
延長された補助金制度も2023年12月までなので、2024年1月請求分からは今のところ補助金がなくなる予定です。
補助金によって8~9月は調整額がマイナスとなる月もあったので消費者にとっては何も努力せず恩恵がありました。
個人的には、再生可能エネルギーを普及させるのではなく、ただのバラマキに近いように感じてしまっているので良くないように思いますが・・・。
本来は電力の自家消費を増やしたり省エネができる政策を促す方が長期的には良いと思うのですが、景気の下支えするという観点では必要なのかもしれませんね。
再エネ賦課金も下落
電力価格が下がったのは、補助金の効果だけでなく、2023年4月以降再エネ賦課金が下落した影響もありました。
2022年度の3.45円/kWから2023年度は1.40円/kWと、初の値下がりです。
しかも2円以上の大幅値下がりをしています。
これまで、再エネはどんどん増えるのでずっと右肩上がりだと思っていましたが、意外な展開です。
再エネ賦課金は市場価格高騰→下がる仕組み
再エネ賦課金は電力の市場価格が高くなったら下がる仕組みになっています。
全国的に太陽光発電が増え続けて天気の良い日には大量に出力制御されているのに何で?と、不思議に思ったので、下がっている理由を調べてみました。
どうやら、再エネ賦課金を算出する計算式の中に「回避可能費用等」というのを引いているのが影響しているみたいです。
「回避可能費用等」とは、再エネがなければ本来発電させるのに必要な費用のことで、原油価格が上がれば大きくなります。
↑再エネ賦課金が下がったのは②の回避可能費用等がかなり増えている影響のようです。
よって、燃料調整費が高い時は再エネ賦課金は逆に下がる傾向にあるようです。
この再エネ賦課金が下がっているので、補助金により歪められて安くなった電力価格と相まってさらに電気代が安くなってしまっていました。
気付いたら2022年以前よりも電気料金安くなってる
結果的に補助金のおかげで電気料金は2022年以前よりも安くなっています。
7円/kWの補助金が始まった2023年3月請求分以降は、その後の原油価格の下落と相まって以前よりも安い水準になってしまっていました。
2022年末~2023年2月の電力価格高騰からしたら単価にして、10円/kW以上とかなり変動が大きいです。
8月にはついに燃料調整費がマイナスになっているので補助金、やりすぎ感があります。
これって財政的、政策的にいいのかな?とは思いますが、家計支出が減る側としてはありがたいです。
太陽光発電FIT固定買取の戦略
そんな乱高下の電力料金に対応するには、家の電気使い方も大きく異なってきます。
FIT固定買取価格
私の自宅は太陽光発電を設置していて2021年から10年間19円/kWの固定買取価格です。
19円/kWでの買取価格って、発電した電力をできるだけ使った方が得なのか、売電したほうが良いのかとても微妙なラインです。
我が家は現在、関西電力の夜間料金が安い「はぴeタイムR」プランにしています。
最近は夜間料金が安いところは選択肢がほとんどないので、2023年冬の電力高騰を機に深夜料金プランがまだ加入可能な関西電力へ切り替えています。
はぴeタイムRの時間帯毎料金は、
- 23時ー翌7時 :15.37円/kW
- 07時ー10時 :22.80円/kW
- 10時ー17時 : 26.24円/kW(夏季28.87円/kW)
ですが、ここから再エネ賦課金がプラスされて燃料調整費で増減があるので月によって異なります。(2023年11月現在)
わかりやすく、一年間同じ額の2023年度再エネ賦課金(1.40円/kW)だけを追加した電力単価は下記通りになります。
- 23時ー翌7時:16.77円/kW
- 07時ー10時 :24.20円/kW
- 10時ー17時 :27.64円/kW(夏季30.27円/kW)
ここから燃料調整費の増減分で支払う単価が決まるので、太陽光発電を売電するか自家消費するかは売電単価19円/kWと比較して判断することになります。
自家消費するのが得かの分岐点
夜間料金の16.77円と売電単価19円の差は2.33円です。
よって、燃料調整費が2.33円/kW以内であれば深夜時間帯にできるだけ使って、昼間売電できる分をできるだけ多くした方がお得ということになります。
FIT価格や電力プランが違えばまた分岐点は変わってくるので適用単価ごとに戦略が違ってしまいそうです。
それぞれに応じた計算が必要なので複雑ですが基本の考え方は一緒だと思います。
深夜電力をたくさん使う戦略
安いからといって無駄に電気を使うわけではないのですが、電力の地産地消という観点ではズレているます。
本来は自宅で発電した電気を売るのではなくすぐ消費したほうが社会にとって良さそうですが、個人単位では経済性重視でお得な方を選んでしまいます。
どうせ使うもので、深夜に使用時間をシフトできるものがいくつかあるので現在の戦略を紹介します。
エコキュート
まずは、エコキュートです。
これは夜稼働するのがデフォルトになっているので特に問題なく設定できます。
逆に、昼間の発電した余剰電力だけ稼働させたい場合は設定ができないので工夫が必要です。。
売電単価の方が高いうちはなにも考えずに深夜沸き上げ設定で問題ないです。
EV充電
我が家には中国製EVのBYD ATTO3があります。
EV充電は屋外の200V15Aコンセントで行いますので、充電中は3kW流し続ける状態でかなりの消費量です。
これを夜間の安い時間帯に行うのは効果が大きいです。
車側のタイマーで、23時~翌7時まで充電するようにしているので深夜の安い電力を活用できる間はかなり楽です。
反対に、燃料調整費が値上がりして昼間に太陽光の余剰電力で充電するのは少々面倒そうです。
発電量見ながらEV充電をON/OFFするのはちょっと大変になるかもしれません。
食洗機
夜間動かせる家電は他に、食洗機があります。
私が寝るのが23時過ぎですので寝る前に食洗機をスタートさせて寝ることで安い電気料金が活用できています。
その他家電等
本当は、洗濯機も夜間に動かしたいのですが、さすがに干すまでを考えると23時からやっていては寝るのが遅くなってしまいます。
乾燥機能まで使わないのであればそこまで消費電力多くないので諦めて使いたいときに使っています。
まとめ
2023年中は、少なくとも補助金があるおかげで燃料調整費が2.33円/kWを超えることはなさそうです。
FIT価格が19円/kWのわが家では引き続き深夜電力を活用したほうがお得そうです。
ちょうど日照時間も1年で一番短くなり、太陽光発電が厳しい期間なので売電価格よりも深夜電力価格の方が安い状態だと運用するのは比較的楽です。
この先の燃料調整費、11月:0.77円/kW、12月0.58円/kWとなっていますが、単純に補助金がないとプラス3.5円/kWなので深夜電力使用よりも太陽光発電自家消費の方が得になってしまいます。
2024年1月以降、もし補助金がなくなり燃料調整費が高騰するようであれば電気の使い方をまた変える必要がでてくるかもしれません。
また、2024年度の再エネ賦課金もどうなるか注視する必要がありそうです。
無駄な電気は使わないようにしつつ、太陽光発電を活用してお得に暮らせるようにいろいろな情報に敏感でいたいと思います!