BYDの軽EV「RACCO(ラッコ)」の価格をN-BOX・サクラと比べた記事を書きましたが、装備の話まで入れると長くなりすぎたので分けました。

こちらはBYD RACCOの装備をホンダN-BOX、日産サクラと1項目ずつ突き合わせた記事です。
TPMS、スマホキー、遠隔エアコン、幼児置き去り検知、そして保証。カタログの奥のほうに書いてある項目ほど、実際に乗り始めてから効いてきます。

RACCOの装備を1枚の表にまとめた
価格は税込。MOPはメーカーオプション、DOPはディーラーオプションで、価格が公表されているものだけ数字を添えています。
N-BOXは5グレードすべてを並べました。全15項目です。(横にスクロールあり)
| 項目 | RACCO 200 | RACCO 300Plus | RACCO 300Premium | N-BOX 標準ボディ | N-BOX カスタム | N-BOX カスタムターボ | N-BOX ジョイ | N-BOX ジョイターボ | サクラ X | サクラ G |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 車両価格 | 214.5万 | 239.8万 | 249.7万 | 176.9万 | 199.4万 | 243.7万 | 198.1万 | 245.6万 | 259.9万 | 299.9万 |
| 補助金後実質 | 199.5万 | 224.8万 | 234.7万 | 176.9万 | 199.4万 | 243.7万 | 198.1万 | 245.6万 | 201.9万 | 241.9万 |
| 両側電動スライドドア | ○ | ○ | ○ ハンズフリー付 | MOP 29.48万 ナビ込 | MOP 28.27万 ナビ込 | ○ | MOP 28.27万 ナビ込 | ○ | 設定なし | 設定なし |
| ディスプレイ 標準/MOP | ○ 10.1型 CarPlay対応 | ○ 10.1型 CarPlay対応 | ○ 10.1型 CarPlay対応 | MOP 21.67万 9型 | MOP 28.27万 9型 ドア込 | ○ 9型 | MOP 28.27万 9型 ドア込 | ○ 9型 | MOP 9型 | ○ 9型 |
| ナビ DOP | 不要 標準装備 | 不要 標準装備 | 不要 標準装備 | 8型 16.28万 | 8型 16.28万 | 8型 16.28万 | 8型 16.28万 | 8型 16.28万 | 9型ナビ 24.35万/9型DA 13.35万 | 不要 MOP標準 |
| CarPlay/Android Auto | ○ | ○ | ○ | ナビ装着で○ | ナビ装着で○ | ○ | ナビ装着で○ | ○ | ナビ装着で○ | ○ |
| 遠隔エアコン | ○ | ○ | ○ | ナビ装着で○ Honda CONNECT | ナビ装着で○ Honda CONNECT | ○ | ナビ装着で○ Honda CONNECT | ○ | ナビ装着で○ NissanConnect | ○ |
| 空気圧監視 | なし | ○ TPMS | ○ TPMS | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
| スマホキー | なし | ○ NFC+Bluetooth | ○ NFC+Bluetooth | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
| 電動パワーシート | なし | なし | ○ 運転席6Way電動 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
| 置き去り検知 | なし | ○ 後席CPD | ○ 後席CPD | 後席リマインダーのみ | 後席リマインダーのみ | 後席リマインダーのみ | 後席リマインダーのみ | 後席リマインダーのみ | 後席リマインダーのみ | 後席リマインダーのみ |
| 新車保証 一般 | 4年10万km | 4年10万km | 4年10万km | 3年6万km | 3年6万km | 3年6万km | 3年6万km | 3年6万km | 3年6万km | 3年6万km |
| 新車保証 特別(基幹部品) | 4年10万km 区分なし | 4年10万km 区分なし | 4年10万km 区分なし | 5年10万km | 5年10万km | 5年10万km | 5年10万km | 5年10万km | 5年10万km | 5年10万km |
| 駆動用バッテリー保証 | 8年16万km SoH70%以上 | 8年16万km SoH70%以上 | 8年16万km SoH70%以上 | — | — | — | — | — | 8年16万km 9セグメント以上 | 8年16万km 9セグメント以上 |
| 高電圧部品の保証 | 8年16万km | 8年16万km | 8年16万km | — | — | — | — | — | 記載なし | 記載なし |
色を付けたセルは、その項目でいちばん優れている値です。多くのグレードが並ぶ項目は色を付けていません。
出典は次のとおりです。
- 装備:BYD公式 RACCOカタログ(PDF)/Honda公式 主要装備表(PDF)/日産公式 諸元表(PDF)
- 遠隔エアコン:BYDアプリの機能案内/Honda CONNECT(N-BOX)
- 新車保証:BYD 新車保証(EV新車保証の項)/Honda 新車保証の期間/日産FAQ 新車の保証期間
- バッテリー・高電圧部品の保証:BYD 高電圧部品の保証・パワーバッテリー保証/日産 EVのメンテナンス・保証
- メーカーオプション価格:N-BOXの改良後オプション構成をまとめた資料/N-BOX・N-BOX Customの見積もり/JOY・カスタムコーディネートスタイルの見積もり(公式サイトに価格の記載がないため)
項目別に見た装備の違い
両側電動スライドドアとディスプレイ
RACCOは両側電動スライドドアが全グレード標準です。
N-BOXの電動スライドドアは全グレードで左側だけが標準で、右側はメーカーオプション。両側電動が最初から付くのは、カスタムターボとジョイターボの2グレードだけです。
しかもこの右側ドアは単体では選べません。標準ボディは9インチナビにコンフォートパッケージを足した29万4800円のセット、カスタムとジョイはナビに右側ドアとシートバックテーブルが同梱された28万2700円のセットになります。
つまりN-BOXで両側電動を得るには、必ずナビも一緒に買うことになります。同じ「両側電動」に揃えると差額がまとめて乗ってくるのは、この抱き合わせのためです。
そしてサクラはそもそもスライドドアではなくヒンジドアです。背の高い箱型が欲しくてサクラを見ていた人には、ここが決定打になりそうです。
RACCOのディスプレイは全車10.1インチのタッチスクリーンが標準で、グレードによる差はありません。Apple CarPlayとAndroid Autoも200から使えます。
N-BOXとサクラは、ナビを付けてはじめてCarPlayが使えます。付け方は2通りです。
- メーカーオプション(MOP):N-BOX標準ボディは9型のナビ単体で21万6700円。カスタムとジョイは右側スライドドア込みの28万2700円のセット。ターボ2グレードは標準装備
- ディーラーオプション(DOP):N-BOXは8型のHonda CONNECTナビが16万2800円。サクラXは9型のオリジナルナビNM1が24万3520円、ナビ機能のないディスプレイオーディオDJ1なら13万3520円(いずれも取付費込み)
ナビ単体で買えるのは標準ボディだけです。カスタムとジョイはドアとセットになるぶん高く見えますが、標準ボディのコンフォートパッケージ込み29万4800円より1万2100円安く収まります。
DOPのほうが安く見えますが、N-BOXは画面が8インチに下がります。MOPの9型を選ぶと両側電動スライドドアが付いてくるので、装備で選ぶならMOP、価格で割り切るならDOPという分かれ方です。
RACCOはここを悩む必要がありません。10.1インチが最初から付いていて、追加費用はゼロです。
RACCO300系だけが持っている装備
表を作っていて差がはっきり出たのが、300Plus以上に付く装備です。N-BOXにもサクラにも、グレードを問わず設定がないものばかりでした。
- TPMS(タイヤ空気圧監視):300Plus以上に標準
- スマホキー(NFC+Bluetoothデジタルキー):300Plus以上に標準
- 幼児置き去り検知(後席CPD):300Plus以上に標準
- 運転席6Way電動調整:300Premiumのみ
- 足元投影ガイド付きハンズフリースライドドア:300Premiumのみ
TPMSは全車標準装備義務化にしてほしいくらいの装備だと思いますが、日本では普及が進んでいないですね。
スマホキーも効きます。我が家のATTO3はアプリからドアの解錠ができるだけで、スマホそのものがキーになるわけではありません。Model YLでスマホキーの快適さを知っている身としては、ここが200と300系の分かれ目になると思います。
置き去り検知は中身の違いに注意が必要です。N-BOXとサクラにある「後席リマインダー」は、走行前に後席ドアを開けたかどうかで降車時に注意を促す機能で、車内の子どもを検知するものではありません。同じ「置き忘れ対策」でも別物です。
遠隔エアコンは付き方が3車3様
遠隔エアコンは3車とも使えますが、条件が違います。
RACCOはBYDアプリで全グレード対応。追加のオプションは要りません。
N-BOXはHonda CONNECT、サクラはNissanConnectの機能なので、対応するナビを積んでいることが条件になります。N-BOXで最初から使えるのはカスタムターボとジョイターボだけで、標準ボディ・カスタム・ジョイはナビをオプションで足す必要があります。サクラもXはオプションです。
夏場に乗り込む前から冷やしておけるのは、EVとの相性がとても良いところです。
エンジンをかけずにバッテリーから駆動する電動エアコンは、アイドリングを気にせず使えます。住宅街の駐車場でも、スーパーの駐車場でも、エンジン音を出さずに車内だけ冷やせる。ガソリン車のリモートエアコンとは、使える場面の広さが全然違います。
我が家のATTO3やModel YLでも、夏にこの機能は手放せません。
保証はEVのバッテリーが手厚い
3社で保証の組み立て方そのものが違います。
- BYD:区分なしの4年10万km1本。動力伝達もEVシステムも乗員保護も、塗装と穴あき錆まで同じ期間
- ホンダ・日産:一般保証3年6万kmと、基幹部品の特別保証5年10万kmの2段階
- BYDの延長保証(有償):5年目まで延長。初回車検時までに加入すると保証距離が無制限になる(加入条件は走行距離10万km以内、料金は加入時期で変動)
一般保証で比べればBYDが1年4万km長く、特別保証で比べれば国産2社が1年長い。どちらが厚いかは、何が壊れると思うかで答えが変わります。
BYDの距離が無制限になる延長保証は、走る人ほど得をする設計です。
駆動用バッテリーまわりは、EV2台の差がわかりやすく出ました。
- RACCO:8年16万kmで初期容量の70%以上
- サクラ:8年16万kmでバッテリー容量計9セグメント以上
- RACCOのみ:PDU・DC-DCコンバーター・駆動モーターなど高電圧部品も8年16万km
- RACCOのSoH延長保証(有償):10年30万kmまで
期間と距離はぴったり同じで、判定の仕方が違います。RACCOはバッテリー単体ではなく、EVの心臓部がまとめて8年見てもらえるのが強いところです。
SoH延長保証はATTO3で2万1000円だったので、RACCOも同じくらいの設定になりそうです。
N-BOXにはバッテリー保証の項目そのものがありません。ガソリン車なので当然ではありますが、10年先の下取り査定を考えると、バッテリーの状態が保証で担保されている意味は小さくないと思います。
N-BOXが明確に勝っているところ
RACCOびいきに寄りすぎないよう、N-BOXが上回る点も整理しておきます。
- 4WDが選べる:RACCOもサクラもFFのみ。雪国での使用には有利
- 満タン583km:一度に長距離を走るならガソリンが有利
- 176万8800円から:補助金を待つ必要も申請の手間もない
- リセールバリュー:中古市場で圧倒的に強い
特にリセールは無視できません。数年後に手放すときの差は、装備の差より大きくなる可能性があります。
RACCOは日本初の輸入軽EVで、リセールの実績がまだ存在しないからです。
まとめ
装備で並べると、RACCOは300Plus以上と200でまるで別のクルマでした。そして書き終えて出た結論は、300Premiumが一番コスパがいいです。
200と300Plusの差は25万3000円。ここでバッテリーが22.40kWhから35.84kWhへ13.44kWh増え、航続が210kmから320kmへ110km伸びます。1kWhあたり1万9000円ほどの計算で、これはEVの値付けとしてかなり安い部類です。
しかもこの25万3000円には、TPMSもスマホキーも幼児置き去り検知も含まれています。バッテリーの増量分だけで元が取れて、装備が丸ごとおまけになる感覚です。
300Plusと300Premiumの差にいたっては9万9000円。上の比較表には入れていませんが、この差額で増える装備は8項目あります。
- 運転席6Way電動調整(300Plusは手動)
- 足元投影ガイド付きハンズフリースライドドア
- アラウンドビューモニター(300Plusは駐車リアカメラ)
- 電動スライドドア感応式フットランプ
- ホットカップホルダー
- リアセンターアームレスト
- シート材質が合成皮革に(300Plusは防水特製高級ファブリック)
- ステアリングホイールが合成皮革に
内装色も300Premiumだけブラック&ベージュの2トーンになります。
これだけ入って10万円弱は、正直安いと思います。
補助金適用後で234万7000円。両側電動スライドドアとナビが標準のN-BOXカスタムターボが243万7000円ですから、全部入りのRACCOのほうが安く収まる計算になります。(しかもEV)
N-BOX側も、グレードで見ると印象が変わりました。装備を揃えると240万円台に届くのは、価格記事で見たとおりです。
まずは試乗車が入るのを待って、装備の使い勝手を自分の手で見に行きたいと思っています。
展示車で実際に見て触ってきたときの様子は、こちらにまとめています。

(いずれ買うかも・・・)
