車検は今年2月に自分でユーザー車検を通したので、法定の24ヶ月点検だけをあとからディーラーにお願いしました。その5月の点検で、思いがけない指摘をもらいます。
駆動用の大きいバッテリーではなく、エンジンルームの12Vバッテリー。内部抵抗が上がってきているので、そろそろ交換を考えてくださいね、と。
とはいえ、補助金保有義務期間が終わるあと1年ほどで乗り換えるかもしれないこのクルマ。ここで新品を入れるのはもったいないので、購入したパルス充電器で粘れないか試してみました。
24ヶ月点検で指摘された12Vバッテリーの内部抵抗
点検は2026年5月14〜15日。走行26,758km、初度登録が2023年3月なのでちょうど3年ちょっとです。ユーザー車検は検査ラインを通すだけなので法定24ヶ月点検は別途必要で、ブレーキフルード交換や分解整備記録簿の記載も含めてディーラーにお任せしました。

納品書のバッテリーの状態点検欄が、こちらです。


起動用バッテリーテストが13.62V、74%、12.87mΩ。電圧は出ていますが、内部抵抗が大きくなるほど必要なときに電流を出せなくなります。健全度74%はそういう意味の数字です。
一方、駆動用は公称容量144.09Ahに対して93%。こちらは納車1年目に不具合を起こし、2024年2月にパック丸ごと交換しています(122セル中53番目だけが1.5V付近まで低下)。
そこから2年以上走って93%。直近では残量10%台から100%までのキャリブレーション充電も問題なくこなせています。いま不安なのは駆動用ではありません。

EVの心臓部より先に、昔ながらの鉛バッテリーが音を上げるというのが、なんとも皮肉な話です。
交換は書面ではなく引き取り時に口頭で勧められ、しかも在庫がなく取り寄せになるとのこと。即決せずに持ち帰ってきた格好です。

ATTO3の12Vが鉛バッテリーという弱点
エンジンルームを開けて、実物を確認します。

型番は38B20L。軽自動車やコンパクトカーでもおなじみの、ごく普通のサイズの鉛バッテリーです。
ここがATTO3の特殊なところ。BYDはドルフィン以降、12VをLFP(リン酸鉄リチウム)に切り替え、設置場所もシート下へ移しています。国内で買えるBYD車で、エンジンルームに鉛を積んでいるのはかなりの少数派になったはずです。
これが地味に効きます。EVは走行中にオルタネーターが常時充電してくれるわけではなく、DC-DCコンバーターが必要に応じて面倒を見る形。乗り方によっては12Vが慢性的に充電不足になりやすいのです。実際、オーナー掲示板には登録2年・走行25,600kmで12Vが上がり始動不能になったという報告もありました。
うちはまだ止まっていませんが、内部抵抗を指摘された以上、放っておく理由はありません。
使ったのはLVYUANの10Aパルス充電器
出番になったのが、今年2月に買っておいたこの充電器です。

LVYUANのBC1D。12Vなら10A、24Vなら5Aまでの7段階全自動タイプで、鉛はもちろんAGM・GEL・LiFePO4まで対応します。Yahoo!ショッピングで2026年2月28日に注文、単価3,399円。ポイントを充てて支払いは2,930円。この価格でパルス(脱硫)モードまで付くのはありがたい。
この充電器、ATTO3が初陣ではありません。買った直後に、発電が止まったF25 X3の応急充電で使い倒した一台です。

同じようなパルス修復モード付きはAliExpressにも並んでいます。12V専用のかわりに15Aと出力が大きく、LiFePO4からAGM・GEL・開放型の鉛まで対応。Winter/Summer/Repairの切り替え付きです。私が使ったのはLVYUANのほうですが、24Vが要らないなら選択肢になりそうです。
車載のまま一晩かけてパルス充電
作業は2026年7月25日の夕方から。翌朝まで放置できる、休みの前日を選びました。
電源は延長コードで引く
充電器のACコードは、駐車位置から家のコンセントまでまったく届きませんでした。使ったのは山善のECW-S1510。10mの防雨型で1500Wまで通せます。屋外で一晩つなぎっぱなしにするので、防雨型だと気が楽です。
端子はつないだまま接続する
端子を外すと車両側の設定が飛ぶ可能性があるので、バッテリーは降ろさず端子もつないだまま。クリップをプラス・マイナスに噛ませるだけです。

接続直後の画面はOFF、下段のREPAIRが点灯しています。今回使うのはこの脱硫パルスモードです。
鉛バッテリーは充放電を繰り返すうちに電極板へ硫酸鉛の結晶(サルフェーション)が育ちます。これが内部抵抗上昇の正体で、パルス充電は高周波の電流で結晶を崩そうという発想。12.87mΩを少しでも押し戻せないか、という狙いです。

説明書によると12Vで14.6V、修復時間は最大16時間程度。対応は鉛バッテリーのみで、リチウムイオン系は修復不可と明記されています。12Vが鉛だったからこそ使えたモード、というわけですね。
「PUL」から翌朝の「End」まで
スタートすると表示が「PUL」に変わりました。

ここからが長い。通電と休止を延々と繰り返すので、18時すぎに始めて終わるのは翌朝という世界です。

一晩明けると表示は「End」。トータル16時間ほどで、説明書の「最大16時間程度」をきっちり使い切りました。まる一日近く占有されるので、休日の前夜にしか仕掛けられない作業です。
効果は「たぶん効いている」としか言えない
正直に書くと、今回はテスターを当てていません。前後の電圧も内部抵抗も測っていないので、12.87mΩがいくつになったかは分からないまま。始動の感じも変わらず、言えるのは「内部抵抗が減っているはずだと信じている」というところまでです。次は前後で測ってから仕掛けます。
それでも、3,000円弱の充電器と一晩の放置で交換を先送りできる可能性があるなら、試す価値は十分ありました。新品の38B20Lを工賃込みで入れることを思えば、失うものはほとんどありません。
まとめ
ATTO3の12Vバッテリーは、EVでありながら昔ながらの鉛。BYDの現行ラインナップではもう少数派の存在です。
- 24ヶ月点検(走行26,758km)で、起動用バッテリーが13.62V・健全度74%・内部抵抗12.87mΩと判定
- 駆動用は2024年2月にパック交換済み。以降2年以上走って93%をキープ
- ドルフィン以降のBYD車は12VがLFPリチウムに移行しており、鉛は少数派
- 登録2年・走行25,600kmで12Vが上がった事例も報告されている
- LVYUAN BC1D(実質2,930円)のREPAIRモードで、車載のまま約16時間のパルス充電
- 効果の数値検証は次回の宿題
乗り換えまであと1年。この鉛バッテリーが最後まで持つかは、これから半年ほどの経過を見ないと分かりません。次の点検か、冬の冷え込みで様子が変わったときに、今度はテスター片手に続きを書きます。

