モデルYLでスーパーチャージャーで何度も充電しているので、どう充電させるのが効率が良いか検証してみました。
残量が動くごとにテスラアプリのスクリーンショットを撮っていた充電セッションが6回ぶん溜まりました。
スタートの残量は4%、7%、7%、39%、1.7%、13%とばらばらです。同じ車で、どれも250kW機。それでも並べてみると、出てくるカーブがけっこう違います。
面白かったのは、一番速そうに見えた回が、一番早く垂れたことでした。
6回ぶんの条件と数字を並べる
まず全部を1枚の表にします。ピークは記録できた最大値、「250kW台の終わり」は250kW以上を確認できた最後の残量です。
| 項目 | 7/23 | 8/4 | 8/5 | 8/8 | 8/9 | 8/14 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 開始SOC | 4% | 7% | 7% | 39% | 1.7% | 13% |
| 充電器 | V3・4基 | V4・4基 | V3・4基 | V3・6基 | V3・4基 | V3・4基 |
| プレコン | 不明 | あり | あり | あり | あり | なし |
| 同時に入っていた他車 | 1台 | 途中から1台 | なし | 1台 | なし | 1台→途中から3台(満車) |
| 外気温 | 記録なし | 35℃ | 30℃超 | 記録なし | 記録なし | 29℃ |
| 開始時刻 | 20時42分 | 15時02分 | 11時28分 | 17時23分 | 1時03分 | 19時44分 |
| 直前の走行 | 高速100km | 高速523km | 郊外264km | 市内のみ | 無充電602km | 始動10分後 |
| ピーク | 251kW | 249kW | 253kW | 174kW | 251kW | 250kW |
| 250kW台の終わり | 10%まで確認 | 届かず | 22% | 届かず | 18% | 16% |
| 22%での出力 | 186kW | 記録なし | 250kW | 該当なし | 174kW | 222kW |
| 25%前後での出力 | 記録なし | 118kW(26%) | 155kW | 該当なし | 137kW | 210kW |
| SOC追加に要した時間/平均出力 | ||||||
| +20% | 4分21秒 221kW(+18%) | 記録なし | 5分00秒 183kW(+18%) | 6分10秒 133kW(+16%) | 4分37秒 227kW(+20%) | 5分38秒 186kW |
| +25% | 記録なし | 記録なし | 記録なし | 9分37秒 122kW(+23%) | 5分57秒 202kW(+23%) | 7分10秒 182kW |
| +35% | 記録なし | 記録なし | 17分00秒 129kW(+43%) | 17分42秒 104kW(+36%) | 記録なし | 11分10秒 164kW |
| +50% | 20分19秒 133kW(+53%) | 記録なし | 23分00秒 117kW(+53%) | 29分02秒 83kW(+47%) | 記録なし | 18分37秒 140kW |
| +60% | 記録なし | 40分00秒 87kW(+67%) | 記録なし | 56分29秒 55kW(+61%) | 記録なし | 25分07秒 125kW |
下の5行は、開始SOCから何%ぶん足すのに何分かかって、そのあいだの平均が何kW出ていたかです。ぴったりの残量を撮れていない回はいちばん近い実測点を採って、実際の増分をカッコに入れました。10%以上離れているものは記録なしにしています。8/4だけは挿し直しで積算がリセットされているので、14%から数え直した数字です。
色を付けたセルは、その項目でいちばん良い値です。追加ぶんの行は平均出力がいちばん高いセルに付けていますが、カッコ付きの回は増分そのものが違うので、そこは差し引いて見てください。
スクリーンショットは手動で撮っているので、撮り逃した残量がところどころあります。表の「記録なし」や「不明」はそのためです。
ピークはどの回も250kW前後まで出ています。差が出るのは、そこからどう落ちるかのほうでした。
回ごとの落ち方を見る
ここからは1回ずつ見ていきます。並べる順番は、落ち方が急だったほうからにしました。
8/4 山口|外気35℃、26%で118kWまで落ちた

山口は九州旅行の初日、自宅から523kmを一気に走ってから挿しています。外気温は35℃でした。
しかも最初のストールは171kWで頭打ちでした。「充電ステーションにより充電速度を制限」の表示が出ていたので、いったん抜いて隣に挿し直しています。挿し直したら14%で249kWまで上がりました。
問題はそこからです。3分半後、残量26%でもう118kW。同じ26%あたりで比べると、他の回より40kW以上低いところにいます。
面白いのはこの続きで、エアコンを切ったら残量50%でも120kWを保っていました。残量が増えるほど出力は落ちるのが普通なので、これは持ち直したと言っていいと思います。
暑い日に温度が効く、というのが一番はっきり出たのがこの回でした。

8/9 大津|602km走り切った直後、25%で137kW

大津は九州旅行の帰りに、602kmを一度も充電せずに走り切ったあとの充電です。残量1.7%まで使い切ってから挿しました。
1%上がるのに15秒ほどで、体感の速さはこの回が断然でした。撮っているそばからどんどん数字が変わっていきます。
ただ、数字を並べると話は変わります。251kWが続いたのは18%まで。22%で174kW、25%で137kWと、記録のある回では山口の次に低いところまで落ちました。
600km走り切った直後なので、バッテリーはもう十分すぎるほど熱かったはずです。ピークは出るけれど、そのあとは温度に余裕がないので早めに絞られる。
体感が一番速かった回が、数字で見ると一番早く垂れていた。これは並べてみるまで気づきませんでした。

8/5 宮崎|250kW台が22%まで続いた

宮崎は22%まで250kWが出ていました。6回で一番長い。
東九州道を264km走った直後です。ただ片道1車線が多くて、平均車速は70km/hくらい。高速とはいえ郊外を流していたようなペースでした。隣のストールにも誰もいません。条件としては一番いいように見えます。
ところがその先が急でした。23%で230kW、24%で198kW、25%で155kW。たった3%のあいだに95kW落ちています。
長く引っ張ったぶん、崖もそのぶん近かった、という感じです。

8/14|一番冷えていた回が25%で210kWを残した

逆が8月14日の13%スタートです。
走り出してから10分ほどで挿しています。高速を走ってきたわけでもないし、プレコンディショニングもあえてかけていません。外気温は29℃で、日も落ちています。6回のなかで一番冷えていたはずの回です。
250kWが出ていたのは16%まで。ピークの長さでいえば6回で最下位でした。
ところが落ち方がまるで違いました。22%で222kW、25%でまだ210kW。宮崎の155kW、大津の137kW、山口の118kWと比べると、同じあたりの残量なのに桁が違って見えます。
段差でドンと落ちる場面がなくて、1%ごとに数kWずつ削れていくだけ。熱ダレらしい挙動が見当たりませんでした。

8/8 北九州|39%から挿して174kWで頭打ち

1回だけ毛色が違うのが北九州です。残量39%で挿しているので、そもそも高い出力が出る領域に入っていません。
挿した直後が174kW。これがこの日の頭打ちで、あとは下がる一方でした。予熱もきちんとかかっていて、6口のうち埋まっていたのは他に1台だけ。条件は悪くないのにこの数字です。
39%から100%まで56分29秒かかって、最初の29分で86%、残りの14%に27分。低い残量から挿すことがどれだけ効くのかは、この回が逆から証明してくれました。
ピークを買うか、終盤を買うか
6回を並べて見えてきたのは、ピークの長さと終盤の粘りが逆になっている、ということです。
250kW台を長く引っ張った宮崎は25%で155kW。ほとんど引っ張れなかった13%スタートは25%で210kW。順番がきれいに入れ替わっています。
7/23の回も同じ側です。高速を100km走ってから挿していて、22%では186kW。同じ22%で222kW出ていた13%スタートより36kW低いところにいます。
そう考えると、プレコンディショニングは「ピークを買って終盤を売る」ものなんじゃないか、という気がしてきました。
先に温めておけばピークは伸びます。でもそのぶん充電中の発熱で早く上限に当たって、あとが続かない。冷たいまま挿せばピークは短いけれど、温度に余裕を残したまま最後まで来られる。
山口でエアコンを切ったら出力が持ち直したのも、同じ話の裏返しなのかもしれません。冷やす余力を空調に取られていたぶんが、そのまま充電のほうに回った、という見方ができます。
もちろん6回ぶんの実測です。充電器の空き具合も違えば、外気温も時間帯も揃っていません。山口だけV4というのも、揃っていない条件のひとつです。
それでも、25%以上まで入れるつもりで挿すなら、夏はプレコンなしのほうが得なのかもしれない。次に試すならそこだと思っています。

まとめ:夏の街乗りはプレコンなしを試してみる
6回ぶんを並べて分かったのはこの4つです。
- ひと桁から10%台で挿した5回はピーク249〜253kW、39%で挿した北九州だけ174kW止まり
- 250kW台を一番長く引っ張ったのは宮崎の22%まで、一番短かったのは13%スタートの16%まで
- 25%あたりまで来ると順番が逆転し、山口118kW・大津137kW・宮崎155kWに対して13%スタートは210kW
- 一番暑い条件(外気35℃・高速523km直後)だった山口が、一番低かった
スタート残量が低いほど速い、というのは体感としては正しいのですが、それは「1%上がるのが速い」という意味であって、カーブそのものが有利という話ではなさそうです。効いていたのは残量より温度でした。
次に取りたいのは冬のデータです。外気が5℃くらいのときにプレコンなしで挿したらどうなるのか。夏と逆の結果が出るなら、この見立ても確かめられます。
そのときはまた1%刻みで撮ってきます。
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